「刺し身」とは何か?
「刺し身」は、新鮮な魚介類を生のまま薄く切り、醤油などで味をつけて食べる日本料理です。
様々な魚や、野菜や海藻を組み合わせて、美しく見えるように盛り合わせます。
代表的な日本料理の一つ「握り寿司」は、「刺し身」と酢飯を組み合わせた料理と言えます。そのため、たいていの寿司屋では寿司ではなく刺し身を頼むこともできます。
寿司の具にあたる新鮮な魚介を、薄く切って並べたのが「刺し身」です。
「刺し身」の食べ方
火を通していない魚に抵抗のある人も多いかもしれませんが、当然ながらお店で出される「刺し身」は、生で食べられる魚を鮮度の良い状態で提供しているので、衛生上の心配はありません。
箸で摘んで、醤油につけて食べます。
薬味にはわさびを使い、好みの量を醤油に溶かします。
「刺し身」の魅力
生食ができる魚は鮮度と質が高いので、基本的に味は申し分ないです。日本人の間でも、刺し身は高価な料理の位置付けです。
「刺し身」は、「にぎり鮨」の具だけのバージョンとも言うことができ、お酒と一緒に嗜む人も多いです。
懐石料理の品の一つとして出されることもよくあります。
基本的には、数種類の魚を組み合わせて提供され、彩りと鮮やかさにも重点が置かれます。
高価ですが、ヘルシーで贅沢な料理です。
「刺し身」の歴史
生の魚を食べるというのは、原始的な食事でもあり、その習慣が廃れてしまった文化圏も多いです。
日本は四方を海に囲まれているので、新鮮な魚介がいつでも手に入る地域が多く、魚介類を生食する習慣は廃れませんでした。
また、日本の料理体系は「切る」という調理過程を重視し、魚を捌く技術は、日本料理にとって非常に重要なものでした。
「料理」としての刺し身は、江戸時代に「寿司」と共に花開き、人びとに普及していきました。
生魚の魚臭さを抑える「醤油」という調味料は、大きく刺し身の味を向上させました。
近代的な冷凍技術が発達してからは、海から遠い地域にも寿司や刺し身が普及し、日本全国で新鮮な刺し身が食べられるようになりました。